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小説

三種類の桃のデザート

男女の性交渉を伴わないけれど近い距離感を日常の描写と会話で読ませる、片岡義男の名人芸を味わって下さい。

 片手に真夏のジャケットを持ち、マドラスのシャツを着た四十三歳の翻訳家、青野健介は地下鉄から直結した全体が本屋になっているビルの三階で中野裕子と落ち合います。銀座のホステスをやっていた彼女は九月から以前の職業である出版社の編集者に復職すると言います。デートの後、ホテルで分かれ、彼女は友人とピザ屋へ、青野は小田急線で金魚を飲みに行きます。そこで出会った牧原玲子と成り行きでホテルに行くことになります。男女の性交渉を伴わないけれど近い距離感を日常の描写と会話で読ませる、片岡義男の名人芸を味わって下さい。

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