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小説

赤いスカートの一昨日

モデルとして、彼女がどう振舞い、何を考えるのか、言葉の欠片はどう集められ、どういう作品にまとまるのか、その全てを小説に仕立てたこの作品は、プロの仕事の方法についての物語です。

 モデルであり詩人である二十七歳の青山美紀は、モデル事務所の三沢啓介から、アマチュア写真家のモデルを務める仕事を依頼されます。同時に彼女は第二詩集となるはずの本のための詩を書かなければなりません。彼女は六冊のミニ六穴のバインダー型手帳に、横使いで1ページに6つほどの言葉の断片を書き付けています。それが詩の材料になるのです。モデルとして、彼女がどう振舞い、何を考えるのか、言葉の欠片はどう集められ、どういう作品にまとまるのか、その全てを小説に仕立てたこの作品は、プロの仕事の方法についての物語です。

底本:『木曜日を左に曲がる』左右社 二〇一一年

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