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小説

追憶の紙焼き

高校時代の同級生から、彼が撮った彼女のポートレートを見せられ、さらにもうひとりと彼は過去の自分の写真と向き合うことになります。

 四十五歳の写真家、君島治郎は写真雑誌から「追憶の紙焼き」というシリーズへの写真と原稿の依頼を受けています。彼は、手元にある二十年前の紙焼き写真をファイルから引っ張り出して「追憶」について考えます。そこで使えると選び出した一枚の写真は、二十五歳の彼と、当時二十二歳くらいだったはずの女性が写っています。その彼女を思い出したところから、この物語は動き出します。その彼女、長谷川景子に会った直後に、高校時代の同級生から、彼が撮った彼女のポートレートを見せられ、さらにもうひとりと彼は過去の自分の写真と向き合うことになります。

底本:『木曜日を左に曲がる』左右社 二〇一一年

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