町田3、2018年
東京を撮る 9
片岡義男氏の愛用するカメラの故障から始まります。撮影中に故障がどのような微妙なタイミングで起きるか、どんな機能があってそれをどんなふうに活用するか。情緒的な言葉をはさまない、それ自体が精密な機械のような文章は、片岡氏の写真がいかに繊細な感覚と計算し尽くされた手順から生み出されているか、その舞台裏をかいま見せます。駅構内の照明の加減、道端を照らす陽の光がガードレールに投げかける陰影。片岡氏の目は、選び抜かれたカメラを通して、その細かな色合いに至るまで漏らすことなく見届けます。
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