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わたしの片岡義男

No.7|佐久間文子「わたしの記憶は白いTシャツ」

【ディテールに心を奪われる】
 初めて読んだ片岡義男作品は『幸せは白いTシャツ』である。

 タイトルを忘れていたのに、ディテールは鮮明に覚えていた。オートバイで日本中を旅してまわる女主人公のかたわらにいつもある、ダッフル・バッグとサドル・バッグ。オーガナイザー・ウオレットとコイン・パース。ビニール袋に入った三枚組の白いTシャツ。

 オートバイにまたがる三好礼子さんの写真が掲載された女性誌の連載で読んだ記憶がある。そのころの雑誌のバックナンバーをめくっても記事を探…

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