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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

ウェスト・エンドの都市伝説

 神保町の古書店で僕がアメリカのペイパーバックスを古書で買ったのは、ごくおおざっぱに言って、一九六〇年代の十年間だ。
 渋谷から10番、須田町行きの都電に乗ると、やがて神保町に西から入ることは、中学生の頃から知っていた。大学生になってからは、早稲田から都電に乗ると乗り換えなしで神保町へいけることを、ビリヤードの壁に貼ってあった都電の路線図で知った。そのすぐあとから神保町を根拠地のようにして、フリーランスのライターとしての仕事を僕はするようになり、新宿から中央線で御茶ノ水へ出て、そこで降りて喫茶店をはしごし、そのあとで神保…