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評論・エッセイ

僕はわき見をしていたい

 僕は小学生のときは1学年につき2か月ほどしか学校へいっていない。中学生の頃は、学校へいった日数は、3年間の合計で百日あるかないかだ。高等学校になると、だいたい1日おきに登校していた。
 学校ではないさまざまな場所に、学校以上に面白いこと、楽しいこと、興味深いことが、たくさん僕を待ちうけていた。それらのところへ寄り道をして遊んでいると、学校へいくための時間はほとんどなかった。
 たまに学校へいき、おとなしく教室のなかで授業を受けているときも、僕はわき見を専門にする生徒だった。外の見える窓側の席にすわり、授業…

底本:『アール・グレイから始まる日』角川文庫 1991年

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