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評論・エッセイ

ジープが来た日

この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」
に収録されたものです。
 猛暑、と新聞もTVも呼んだ日の夕方、ふと入った書店の棚に、『ジープ 太平洋の旅』(ホビージャパン)という本を僕は見つけた。その本を買った僕は、次の日、まったくおなじ猛暑のなかで、その本に収録してある貴重な写真のすべてを飽きることなく観察し、的確な説明文をすべて読み、感銘の深い一日を過ごした。書名にある太平洋とは、日本がおこなった十五年戦争の最後の部分、いわゆる太平洋戦争の戦場としての太平洋のことだ。そしてジープとは…

底本:『日本語の外へ』角川文庫 2003年
『日本語の外へ』筑摩書房 1997年

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