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評論・エッセイ

ヒラリー・ロダム

この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」
に収録されたものです。
 ビル・クリントンが大統領になってからずっと、アメリカ国内で放映されるTVニュースの画面に彼の妻、ヒラリー・ロダム・クリントンが現れるたびに、僕は彼女の姿を不安と期待の重なり合った気持ちで受けとめてきた。ヒラリーの髪が、僕は気になっていた。
 髪の作りは、服や靴その他、身につけるものすべてと密接な関連を持っている。だから彼女の髪が気になるとは、彼女のいわゆるファッションの全体が気になる、ということだ。気…

底本:『日本語の外へ』角川文庫 2003年
『日本語の外へ』筑摩書房 1997年

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