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評論・エッセイ

ヴァージニア・ケリーの死

この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」
に収録されたものです。
 その日の僕がたまたま見たCBSの『イーヴニング・ニュース』の冒頭で、クリントン大統領のお母さんが亡くなったことが報じられていた。大統領の母、ヴァージニア・ケリーが、ガンにより七十歳で死亡した事実を、アンカーのコニー・チャンが簡単に伝えたあと、ホワイト・ハウスからのレポートを受け持っているリータ・ブレイヴァーが引きついだ。
 特別なことはなにもない、ごく普通の、要領良くまとめたこの短いレポートについて、…

底本:『日本語の外へ』角川文庫 2003年
『日本語の外へ』筑摩書房 1997年

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