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評論

現実のしがらみと「私」

この作品は、『日本語の外へ』「第2部 日本語──世界とは母国語の外のこと」
に収録されたものです。
 英語は、客観的で実証的な性能を持った、事実に則した言語だ。自分の外にある世界を、あくまでも外の世界としてのみ、表現していく。外の事実と内なる主観とを無差別に重ねることを、英語という言葉の性能が許さない。
 英語の性能は、事実を主観から切り離し続ける。自分は対象からどんどん切れていく。事実は主観から切り離される。可能なかぎりの客観、つまり、ありとあらゆる視点という価値を、この性能をとおして、人々…

底本:『日本語の外へ』角川文庫 2003年
『日本語の外へ』筑摩書房 1997年

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