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書評

バブルは消えたのか、目の前にあるのか

〈書評〉永野健二著『バブル 日本迷走の原点 1980—1989』

 日本におけるバブルの起点は一九八六年だという。当時の働き盛りの日本人男性が四十六歳だったとすると、彼らが社会的な第一線をしりぞいてすでに十数年が経過している。バブルは彼方へと消えつつある。バブル、という言葉がまだ通じると仮定して話を進めなくてはいけない。
 バブルが始まった頃、僕は四十代だった。年齢的にはバブルと重なっている。僕のようなフリーランサーは、僕の隣にはもう誰もいない、なにもない、という最末端の働き手だ。その僕にと…

底本:『週刊朝日』2017年2月17日号

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