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書評

漱石文学の“会話”の深さに驚嘆する

〈書評〉小林千草著『「明暗」夫婦の言語力学』

『坊っちゃん』は子供の頃に読んで楽しかった。大人になってから何度か読み返した。そのつど痛快な気持ちになった。それ以来の夏目漱石として、たまたま書店で手に入れた、『草枕』の英語訳を僕は読んだ。
 なるほど、こういう小説なのかと、すんなり理解することが出来た。英語で読むとわかりやすくていい、などと思ったりもした。わかりついでにせっかくだから原文でも読んでみようと思った僕は、原文つまり夏目漱石の日本語で、『草枕』を読んだ。読み終えた僕は、心の底から驚嘆…

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