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片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

「アンコモン・プレイセズ ザ・コンプリート・ワークス」

 スティーヴン・ショアというアメリカの写真家について僕が初めて知ったのは、一九八二年版の『アンコモン・プレイセズ』によってだった。この写真集を東京の洋書店の売り場で見るまで、僕はスティーヴン・ショアの存在を知らなかった。書店の店頭で現物を見て心の底から驚き、会計のところへ持っていき、これをください、と言って買ったのだ。いまにくらべるとその行為の素朴さにおいて、途方もなく遠い昔のことのように思える。裏の見返しに価格が鉛筆でいまも書いてある。九千六百円だった。
 横が二十九センチ、そして縦は二十五センチという大きさの、横置き…