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評論・エッセイ

岩波写真文庫が切り取ったモノクロームのアメリカ

 昔、といってもそれほど昔ではないのだが、岩波写真文庫という文庫のシリーズがあった。発行していたのは、岩波書店だ。
 創刊されたのは一九五〇年くらいではないだろうか。およそ考えうるありとあらゆるテーマをモノクロームの写真で見せていくということを方針にした、知識と教養的な文庫だった。
『いかるがの里』『南氷洋の捕鯨』『野の花−春−』『赤ちゃん』『スイス』『千代田城』『野球の科学』『蝶の一生』『魚の市場』といった感じの、思いつくままかたっぱしからという印象のあるテーマえらびは、タイトルを見ただけで微笑がうかんで…

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『自分を語るアメリカ』太田出版 1995年
『ブックストアで待ちあわせ』新潮文庫 1987年所収

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