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書評

『タランチュラ』あとがき

 ボブ・ディランの『タランチュラ』は、難解である、とよく言われているが、けっしてそのようなことはない、という点についてのみ、すこし書いておこう。
 知的な好奇心に多少とも燃えていて、普通程度あるいはそれよりすこしはましな教育をうけたアメリカ人ならば、ボブ・ディランのこれまでの活動や作品に関してほとんどなんの予備知識がなくても、『タランチュラ』は楽しく読みとおせるし、ボブ・ディランがなにを言っているのか、充分に聞くことができる。
 ぼく自身も、楽しかった。『タランチュラ』を日本語におきかえること自体に関しては…

底本:『タランチュラ』(ボブ・ディラン 著・片岡義男 訳)角川書店 1973年

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