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エッセイ

マヨネーズ、という一語で終わる本

 リチャード・ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』は、デル・ブックスというペーパーバック叢書のローレル・エディションで刊行される以前に、いろんなかたちでいくつかのところに発表された。だからローレル・エディションの初版を持っていても、そのことじたいにはさほどの意味はない。しかしいまも僕のところにあるこのペーパーバックは、一九七二年二月の初版だ。
 おなじ年の五月に、ホノルルの街角の雑貨店のような店で、僕はこれを買った。店の奥にペーパーバックの棚があったのだ。レシートがはさまったままになっている。一九七二年五月八日。街角の雑…

底本:『白いプラスティックのフォーク──食は自分を作ったか』NHK出版 2005年

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