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評論・エッセイ

君はいま島へ帰る

 日本というユニークな島に住んでいるぼくたちは、自分たちの国がじつは小さな島々だという事実を、意外に忘れているのではないだろうか。
 日本人の島国根性とか、島国で国土がせまいとか、日本の人たちはよく自ら口にするけれど、自分たちの国を、「島」という地理的なとらえかたではっきりと認識している人は、意外にすくないような気がする。
 ぼくも、じつは、そのひとりだった。
 日本もまた小さな島であることをぼくに教えてくれたのは、アメリカの人だったのだ。アメリカにしばらく遊びにいっていて、さてそろそろ日本へ…

底本:『コーヒーもう一杯』角川文庫 1980年

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