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エッセイ

システム手帳とはなにか

 システム手帳、という言葉を僕はさきほどから観察している。すっかり日本語になりきった言葉だ。いくら観察しても、もはやなにごとも起きそうにない。しかし、考えていく作業のスタートとしての観察なら、観察する価値はあるような気がする。システムという片仮名語に、手帳という漢字言葉が合体している。このような外観は、本来ならたいそう奇妙なものであるはずだが、誰もなんとも思わない。
 システムという日本語は、日本人の大好きな言葉のひとつだ。自分たちがほとんど常にその身を置いているのは、なんらかのシステムのなかだからだ。底辺も頂上もそして…

底本:『坊やはこうして作家になる』水魚書房 2000年

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