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評論・エッセイ

平成十一年の五つの安心

 平成十年に日本で首相を務めている人物が、自らを「ヴォキャ貧」であると評したことは、日本にとって記念すべき出来事だ。戦後の五十数年を体験してきた日本がついに到達した、マイナス領域におけるひとつの頂点だ。
 平成の十一年め、年頭の総理記者会見でこの首相は、「私はこの内閣の課題として、五つの安心と真の豊かさの実現を、かかげたいと思います」と、語った。五つの安心とはなにか、念のため以下に引用しておこう。こういうのを見ると、もう日本は駄目だ、と僕は思う。そしてその日本は、僕の祖国なのだが。五つの安心とは、次のとおりだ。経済再生の…

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