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小説

紙の上に鉛筆の線

絵を描く男性と、その絵にほれ込んだ彼女の少しの温度差が生みだす物語

1965年の東京。駆け出しのイラストレーター、立原洋平は25歳。知人の小さな出版社の社長からの仕事を中心に、頼まれれば何でも描いて生活しています。その社長に連れられて行ったバーのカウンターの中にいた女性に興味を持った彼は、彼女の店に一人で向かいます。そこで彼女に頼まれるまま、30秒ほどで描いた彼女の肖像画がとても気に入られて、彼は彼女にお願いをされることになります。それしかできないから描くことを仕事にしている彼は、描くことに対して、とても冷静です。その絵にほれ込んだ彼女との間の少しの温度差が物語を生みだすのです。

底本:『物のかたちのバラッド』アメーバブックス 2005年5月
初出:「en taxi」 No.3 AUTUMN 2003

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