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小説

三丁目に食堂がある

小説を書くことについての物語。小説を書くことについて気がつく瞬間の青年の幸福への羨望さえ感じられます。

小説を書くとは何かについての作品集「青年の完璧な幸福」の掉尾を飾る書き下ろしの短編小説です。『アイスキャンディは小説になるか』『美しき他者』『かつて酒場にいた女』で繰り返し語られた「どこにもいない女」についての物語であり、小説家が生まれる瞬間の幸福を描いた物語です。登場するのは、これも既に語られている、主人公の高校時代の友人であり、卒業式で学年総代を務め、入社した商社で降りかかる沢山の縁談話を嫌って退社した女性。その「どこにもいない女性」を見る作中の主人公は、彼女とは関係なく自分の中にだけいる彼女を発見します。

初出:『青年の完璧な幸福 片岡義男短編小説集』スイッチ・パブリッシング 二〇〇七年七月
底本:『青年の完璧な幸福 片岡義男短編小説集』スイッチ・パブリッシング 二〇〇七年七月

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