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小説

どこかにあるはずの素敵な島

ひとつの、充実した結婚のかたち

不思議なタイトルである。
というのも、この小説の中では実際に、結婚した男女が毎年休暇を過ごす南の島が出てきてそれは架空の島などではないからだ。
しかし、その島の名前も場所も一切明らかにはされないから読者にとってはたしかに「どこかにあるはずの素敵な」島に違いない。
片岡義男の多くの小説がそうであるように我々の日常にあるようなリアリズムや従来の小説がそこをテコにして物語を動かす破綻、のようなものはここには一切、現れない。
あるのは1つの、あざやかな夫婦のかたちだけだ。

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