街へ出て 消えた東京をめぐる
東京をテーマにした本がたくさん出版されている。新刊だけでも山のようにある。古書を含めるとその数は膨大だ。多少とも気持ちをとらえる本は買うようにしているが、とても追いきれるものではない。江戸から現在まで、東京には本にし得るさまざまな材料がある、ということだ。それはそれでたいそう喜ばしい。
そのものの実体がほぼ消えると、それについてのいろんな角度からの本が数多く出版されるようになる、という定理を僕は信じている。作っては壊し、壊しては作る、というエネルギーのなかを生きてきた東京は、少なくとも近代になってからは、昔のものもつい…
『THE NIKKEI MAGAZINE』No.82 二〇一〇年二月二十一日
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