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評論・エッセイ

先見日記 多大な貢献と国連の新時代

 9月21日の夕方(現地時間)、国連総会で日本の首相が演説をした。内容は別になにがどうというものでもなかった。これからの国連はこうあるといいねという、ごく一般的な願望の、いちばん外側の薄皮のような部分を、それにふさわしい言葉でただ羅列したようなものだ、という感想を持ったのは僕だけではないだろう。
 日本も常任理事国になりたいといまの首相が力説する根拠のキー・ワードは、「多大な貢献」であるようだ。これまで日本は国連に多大な貢献をしてきたのだから、国際社会のなかでの名誉ある地位である常任理事国となって、さらに多大な貢献をした…

『先見日記』二〇〇四年九月二十八日