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評論・エッセイ

先見日記 北朝鮮とバッジと日本の会社

 娘ふたりをともなってジェンキンス軍曹が北朝鮮を出国したとき、彼の左胸には北朝鮮のバッジがつけてあったという。北朝鮮に何種類も存在し、細かく意味が規定されていて、人々にはそれを常に衣服につけていることが強制され、つけていなかったりなくしたりすると、厳罰に処せられるという、日本でもすでによく知られている、あのバッジだ。
 ジャカルタに到着して2日後には、軍曹はこのバッジをはずしたそうだ。そしてその事実を知った3人の北朝鮮随行員たちは、たいそう驚いたということだ。軍曹がバッジをはずした行為は、自分はもはや北朝鮮とは関係ない、…

『先見日記』二〇〇四年八月三日