９・11の出来事のあと、アメリカは攻撃された、アメリカは自分を守る、だから敵に対しては戦争をする、という方向へと進路を取ったブッシュ政権は、いまから見ればほんのいっときだったにせよ、90パーセントに近い支持率を獲得した。武力で自分を守る、という方針のもとに、アメリカがひとつになった瞬間だった。そしてこの瞬間は、そのあとに来る深刻な事態の助走路だった。国がまっぷたつに分かれてしまう、という事態だ。
　この秋の大統領選挙に向けて、アメリカの二分化はよりいっそう明確になりつつある。共和党と民主党への、二分化だ。保守を支持層と…

『先見日記』二〇〇四年七月二十七日