先見日記 自分の国、というイメージ
参議院の普通選挙で自民党がTVで放映したCMには驚いた。何とおりかあったうちのひとつだけを僕は見たのかもしれないが、まず首相が登場して、この国をどうするこうすると言っていた。どうもこうも出来ない、ただもっと悪くなるだけだ。だからそれはそれでいいとして、それに続いたカラーの静止映像は、衝撃的だった。
けっして広くはない山の斜面に、小さな棚状に重なっている棚田の、おそろしいまでに定型的なイメージの写真。それに続いて、厳島の赤い鳥居の写真。これもいっさいなにも考えずに作った宮島の観光ポスターやパンフレットに、これまで何度と…
『先見日記』二〇〇四年七月二十日
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