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評論・エッセイ

先見日記 デフレが引き出す新世界

 土地はいまのところまだ資産だ。担保価値としての資産だった土地に、いくらでも融資を受けることが出来たのが、かつての日本が体験したバブルだ。そして、この担保価値の際限のない上昇を制御しようとした試みが、バブルの崩壊だった。土地価格は下落を続けているが、日本における土地の時価総額はいまだにGDPの3倍近くあるという。先週の日記にも書いたとおり、このGDPは供給過剰による虚の部分を半分は持っている。ということは、土地の時価総額はGDPの6倍にもなっているということか。
 土地の価格が低下すると資産デフレが起きる。これにはバブル…

『先見日記』二〇〇二年十二月二十四日