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評論・エッセイ

先見日記 これまでの戦争と新しい戦争

 太平洋の戦場で日本に勝った頃のアメリカの戦争のしかたは、周到な科学性に支えられた圧倒的な物量という、いまから見れば過渡期の発展途上とも言うべき段階にあった。硫黄島や沖縄その他、いたるところで地上戦をして多大な犠牲を払った。しかもそのなかには必要のなかった地上戦もいくつかある。
 このような現実に対してもうひとつ、最新鋭の爆撃機による上空からの爆撃、という戦争のしかたも当時のアメリカは持っていた。東京空襲から始まり、やがて日本全土へと拡大された爆撃は、それを受けるほうから見れば無差別の殺戮だった。そしてこの爆撃という現実…

『先見日記』二〇〇二年十一月二十六日