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評論・エッセイ

先見日記 食いつぶす日々の終焉

 一連の企業不祥事、という新聞のような言いかたで、いまでもまだ意味が伝わるかどうか。忘れ去られるのは早い。雪印、日本ハム、東電その他、社会から多少は得ていたはずの信用を自ら失った、利益のために企業が犯した重大な犯罪は、資本主義の終わりを見せてくれている。
 企業モラルは地に堕ちた。自分たちの会社の利益のためにはそんなことまでするのか。現場の判断だったというのは言い逃れだ。こんなことやめようよ、と言う人はいなかったのか。といったごく普通の反応に、企業における倫理やモラルの再建を、内部告発者を守る立法を、などの意見が出された…

『先見日記』二〇〇二年十二月三日