いま住んでいるところの近くにあるスーパーで売っていました、と友人がカフェで見せてくれたのが、次の写真のミツワ石鹼だ。見たとたん、懐かしい、と僕は思った。ずっと以前、まだ子供だった頃、こんなパッケージの石鹼が、ごく日常的に、家庭のなかのあるべき場所にあった。子供の頃のパッケージは箱ではなく簡単な紙の袋だったかもしれない。そうだとすると、写真にあるような石鹼は、僕が二十代前半の年齢だった頃のものか。

　当時、このとおりのデザインのパッケージで市販されていたのか、それとも写真にあるこれは、当時の雰囲気を残しつ…

『Free & Easy』二〇一一年四月号