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評論・エッセイ

アメリカン・マッスル 帝国のヒロイン

 男と女とのあいだの外見上の性差、つまり簡単に言って服装の差が、アメリカではきわめて大きい。文明国とは思えないほどの大きさだ。腕力や武力がいまでもあっさりと決め手になるのだから、根っこのところでは野蛮国なのだ。腕力や武力はマッスルであり、それは男のものだとすると、それに対抗し張り合いつつ、それを自分に引き寄せるために、女性は性的な魅力を総動員しなければならず、そのことの結果として、大人の男女のあいだにはまず服装において、大きな性差が生まれる。脚であれ胸であれ、その出来ばえが多少とも評価され得るものであるなら、それはとにかく最大限に増幅…

『Free & Easy』二〇〇四年十月号

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