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評論・エッセイ

片岡義男のぼくのお気に入り道具たち ゲームに興じていた思い出の中の男たち

 モノポリーで遊んでいる人たちは、いろんな状況のなかで何度も見かけた。どの状況もみな印象的だが、もっとも強く記憶に残っているのは、シカゴのオヘア空港のロビーで見かけた、白人の中年男性たち四人だ。
 空港ロビーの誰もが入って来ることの出来る部分、したがっていつもたくさんの人たちがいるところの片隅にテーブルがあり、そのテーブルの上にモノポリーのボードを広げて置き、飛行機の搭乗時間が来るまでゲームを楽しんでいるという風情で、彼ら四人はモノポリーをおこなっていた。
 彼らにとっては腰のあたりの高さであるテーブルの角…

『BE-PAL』一九八五年二月号

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