三日に一度はベルギー・ワッフルの店の前を歩く。いつも行列が出来ている。つい先日は四十人ほどの行列のなかに、外国の男性がふたりいた。ひとりは三十代、もうひとりは四十代で、ふたりともヨーロッパのどこかの人だった。
マルイのエスカレーターで上がっていく、おなじくヨーロッパの女性を見かけた。駅のすぐ隣にあるチェーン店のカフェで夕方のひとときを過ごしていたら、くすんだ長めの金髪を細かく丸めた髪の、三十代前半のヨーロッパ女性がひとり、コーヒーのマグひとつを持って、僕からひとつ向こうの席にすわった。砂糖の紙スティックの端のちぎりかた…
『酒林』89号 二〇一五年一月