ブレンダ・リーが『薔薇色の人生』を日本語で歌う七インチ盤のレコードに、中古レコード店のリアル店頭で遭遇し、手に入れた。ブレンダ・リーは一九五〇年代の後半から一九六〇年代いっぱいにかけて、ヒット曲をたくさんレコードにしたアメリカのポピュラー歌手で、日本でも高い人気があった。
『薔薇色の人生』は原題を『ラ・ヴィ・アン・ローズ』という広く知られたシャンソンの傑作で、日本の多くの人たちが心酔したのは、残念ながら遠い昔のことだ。僕が手に入れたブレンダ・リーの七インチ盤は、一九六五年の日本で発売されたものだ。ＡとＢの両面にブレンダの…

『酒林』87号　二〇一四年一月