午後の一時から二時までのあいだに、東京駅から東海道新幹線に乗る。いつもそうだ。もはや儀式になっている、と言ってもいい。乗るのはかならずしも東海道新幹線ではなくてもいいのだが、僕は西へ向かうのが好きだから、ほんの少しの距離にせよ、出来るだけ何度も西へ向かいたい、したがっていつも東海道新幹線に乗ることになる。
一時間から三時間ほど、西へと向かう新幹線のなかで過ごす。考えごとをしているときもあれば、本を読むこともあるし、ノートにしきりになにごとかを書いてはそれを点検し、さらになにかを書き込んでいく、というような過ごしかたをす…
『酒林』69号 二〇〇五年四月