VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

中古のLPというミステリー

 自分でLPレコードを買い始めたのは高校生の頃からだ。その十年くらい前から、すでにLPの時代だった。僕が買い始めたときには、LPは早くも大衆商品となっていた。日本でのLPの時代は、一九五〇年代のなかばあたりから一九八〇年代いっぱいくらいまでの、三十五年間ほどだった。
 高校生の頃からLPの時代のあいだずっと、僕はLPを買い続けた。好きな音楽を聴くのはたいへんに楽しい体験だ。僕はあらゆる領域の音楽を聴いたから、買うLPの数も多かった。買って一度は自分の手もとにあったLPの総数は、五千枚を越えるのではないか。いまは五百枚ほどが…

『酒林』61号 二〇〇一年一月

このエントリーをはてなブックマークに追加