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評論・エッセイ

アメリカの広告物語 2 グレイハウンドの旅

 カリフォルニアからニューヨークまでグレイハウンドで旅をすると、あの広い国を、その横幅いっぱいに地べたと密接につながったまま体験することが出来た、という時代がかつてあった。出来るだけまっすぐなルートを意図的に選び、しかも可能なかぎり直通で走りきるのは一種の快感だったし、大陸の横幅と同時に縦幅も自由に使い、大きな地震を記録した地震計の記録紙のように、思いっきりジグザグに乗り継いで走るのも、アメリカならではのアメリカ体験だった。
 西部あるいは大平原地帯のなかを走りながら朝を迎えたときの、昇る朝日をいまも僕は記憶している。地平…

『CIGAR』一九九九年四月

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