僕のクレヨン・ボックス ア・グラス・オブ・ウオーター
八月の東京をぼくといっしょに歩きながらアメリカの友人が「東京にはウオーター・クーラーがなくて困る」と言う。たしかに、東京だけではなく、日本には、ウオーター・クーラーがすくない。人口に対する比率のような点からみたら、ウオーター・クーラーは皆無だと言っていいだろう。アメリカだと、いたるところにある。適当に冷えた水を飲むことに困らなくて、とてもいいものだ。家庭用のウオーター・クーラーだってある。熱い地方あるいは夏などには、プラスチックの容器に水を入れ、冷蔵庫のなかでいつも冷やしておき、それを飲んだりもする。
なぜこんなにウオ…
『野性時代』一九八〇年創刊六周年記念 五月特大号
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