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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

歌謡曲が聴こえる 由紀さおりとピンク・マルティーニ

聴衆が持つ感覚の触手

 楽器編成とは編曲のことだ。あるひとつのバンドが、基本的にどのような楽器編成を維持するかは、リパートリーとしている曲をそのバンドがどんな演奏で聴衆に提示するかを、端的に意味している。
 潜在的に自分たちのリパートリーである優れた楽曲は、過去のなかに無限に近く存在している。そのなかに自分たちのオリジナル曲が加わる。そこからなにを選ぶかの問題の次にあらわれるのは、その曲にどのような編曲をほどこすのか、という問題だ。そしてどのような編曲をほどこすのかという問題は、たったいま書いたと…

『新潮45』二〇一二年六月号

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