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評論・エッセイ

クローズ・アップ 8 丸い渋みと醒めた明るさ ジョルジュ・ブラッサンス

 秋も深まったある曇り日の午後、小包が届いた。編集部からだった。なかには、LPが四枚、入っていた。ジョルジュ・ブラッサンスのLPだった。
 ブラッサンスの名前は聞いていたが、彼の歌は知らない。一度も耳にしていない。だけど、ここでジョルジュ・ブラッサンスをとりあげることになったから、こうして送ってもらった四枚のLPを手に持って、ぼくはぼくの部屋のなかでブラッサンスと初の対面をしたのだ。

ショービジネスの顔じゃない

 四枚のLPのジャケットをながめてみた。『ジョルジュ・ブラッ…

『別冊FMfan』第8号 一九七五年十二月二十五日

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