ブリジット・フォンテーヌのLPを聞きながら、いまこれを書いている。ターンテーブルのうえでまわっているのは、『幻想の会話』という日本語タイトルのついたLPだ。一九七三年に発表されたアルバムで、オリジナルなタイトルは『ランサンディ』という。
炎の向こうにブリジットがいる
フランス語では、ライナーノートに書いてあるとおり、「ランサンディ」は、火災、という意味なのかどうか、ぼくはたしかめていないけれど、英語にもおなじ語源の言葉がある。INCENDIARYという言葉だ。形容詞と名詞のふたと…
『別冊FMfan』第5号 一九七五年四月十日