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評論・エッセイ

CDを積み上げる 一九六四年、パリ

 フランス・ギャルが歌手としての日々を始めたとき、彼女はすでにフィリップス・レコードと契約を結んでいた。したがって、彼女のシングルやLPは、フィリップスから市販された。一九六四年の最初のLPから、フィリップスでの最後のものとなった一九六八年のLPまで、五枚のLPが、紙ジャケット入りのCDとして復刻された。一九六四年で計算すると、いまから五七年前の音楽だ。
 彼女は一九四七年にパリの一二区で生まれた。父親はポピュラー・ソングの作詞家で、母親は教会の歌手、そしてその母親の父は、おなじく教会のオルガン奏者だった。やがて歌手になる…

『図書』二〇二一年九月号

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