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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

CDを積み上げる 歌詞を音符で理解する

 藤圭子さんの箱入りも、CDの五枚組みだった。五枚のうち四枚までが一枚につき二十一曲で、一枚だけ二十四曲だった。合計して百八曲で、そのなかで僕が聴いたカヴァーは十六曲になった。森昌子さんの場合とおなじく、藤さんも歌のうまい女性だ。ときどきこういう人がいるようだ。歌手になってレコードが売れたり広く人気が出たりする人は、ごく一部なのではないか。他の人たちはすべて、埋もれた状態にあるとしたら、じつは歌のうまい女性たちに、誰もが等しく取り囲まれていることになる。
『君恋し』『柳ケ瀬ブルース』『アカシアの雨がやむとき』『女の意地』『…

『図書』二〇二一年八月号

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