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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

CDを積み上げる 「珠玉のカバーソング集」とは

「珠玉のカバーソング集」とうたってあった。「あなたの胸に昭和の思い出が蘇る……魂の歌声で綴るヒット曲の数々……!」ともあった。「二葉百合子 昭和歌謡を歌う」だ。CD五枚組で、CDケースとおなじ大きさの歌詞本がつき、紙箱に入っていた。一万一千円だった。全九十七曲だから一曲あたり百十三円ほどで、十回繰り返して聴くなら、一回は十円ちょっとだ。
 昭和に特別な思いはない。これは歌謡曲だ、と思って歌謡曲を聴くこともない。しかしカヴァーは好きだ。この歌をこの歌手で聴いてみたい、という願望が芽生える以前に、この歌手はこんな歌も歌っていた…

『図書』二〇二〇年十月号

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