いま僕が個人的に所有しているCDが二千六百枚はあるだろう。数年前に専用の棚を用意したら、そのときあったCDがちょうど、その棚に納まった。それ以後に買ったCDは、おなじ場所に積み上げてある。これからも買うから、CDは増えていく。四十年ほどの期間で三千枚いかないのだから、たいしたことではない、と自分に言っている。
CDはおなじ透明なプラスティックの容器に入っている。微妙にサイズや作りの異なるプラスティック・ケースがひと頃まではあったのだが、いまはもうない。紙ジャケットという仕様はサイズが異なるが、アクセントとして好ましい、…
『図書』二〇二〇年一月号