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評論・エッセイ

片岡義男のアメリカノロジー ジョークは飛び道具。

 ジョークは日常を飛びこえる。日常ぜんたい、あるいは、日常性というものをひとつにまとめている秩序のようなものに、ジョークはぽんとひと蹴りくれて、その反動によって自らは高く飛びあがって日常を遠く離れ、軽やかにどこかへいってしまう。
 だからこそ、ジョークというものは、人を笑わせる力を持つのだ。そうでなければ、人はジョークに笑うはずない。
 日常のまっただなかに身を置き、その日常をかたちづくっている秩序とかルールとかを常にいろんなかたちで感じつづけている人たちの目のまえで、ジョークは、ひょいと飛びあがり、日常をこえ…

『POPEYE』一九八五年六月十日号

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