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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

散歩して迷子になる 15 桜が咲いた、百冊買った

 今年の四月号のこの連載で、リプレーの『信じようと信じまいと』というシリーズについて書いた。さまざまな大きさのハード・カヴァーが何冊も刊行されたが、それとは別に、ポケット・ブックという叢書からペイパーバックのシリーズで刊行された。第一集から始まって最後のコレクションまで、つまり後続が刊行されなくなるまで、かつての僕は全冊を手に入れていた。いまはなぜだか一冊もないが、一九五九年の第五集と一九六〇年の第七集のポケット・ブックを、友人が大阪の古書店で手に入れてきてくれた。新本のまま古書となり、それからも誰にも買われないまま、状態のいいペイパ…

『図書』二〇〇九年六月号

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