散歩して迷子になる 14 百円ずつ買っていくアメリカの物語
二〇〇八年の夏からその年の終わりまでのあいだに手に入れたペイパーバックが、いまこの文章を書いているデスクのまわりに積み上げてある。僕なりに整理すると、結局のところすでにあるペイパーバックの山のなかに埋もれるだけになるので、半年分のペイパーバックを買ったままにしておいた。この文章の材料にするにしても、そのほうが探しやすくていいだろう、と僕は思った。今年は早くも三月の終わりまで到達している。その三か月のあいだに入手したペイパーバックが、半年分のペイパーバックに加わっている。忙しさにかまけていると、いつのまにかさらに三か月が経過し、昨年の…
『図書』二〇〇九年五月号